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【船舶無線】フィールドエンジニアってどんな仕事?仕事内容について

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フィールドエンジニアと一口に言っても色々な業種があると思います。

 

その中でも私は「船舶無線」のフィールドエンジニアを仕事にしています。

 

今回はそんな船舶無線のフィールドエンジニアとは何か?ということを解説します。

 

 

船舶無線のフィールドエンジニアとは?

 

大前提として、この仕事はメーカーやそのの代理店、協力会社などに所属して行うことになります。そのため、所属している会社がどのメーカー(の代理店等)かによって整備を行う機器のメーカーが違うことが多いです。

 

主な日本の船舶無線機器メーカーは、FURUNO(古野電気)、JRC日本無線)、TOKYO KEIKI(東京計器)でしょうか。

 

私もメーカーの代理店に所属しています。

 

そのうえでメーカーからのオーダー、もしくは船主から直接オーダーをいただいて、船舶に備え付けられている無線機器の整備を行います。

 

造船所などでは「無線屋さん」と呼ばれたりします。

 

コンテナ船やタンカー船などの一般商船だけではなく、海上保安庁国土交通省などの官庁船や調査船、漁船、個人所有のヨットやボートもその対象になります。

 

整備の主な仕事は以下の3つ

 

  • 新設工事
  • 修理工事
  • 無線検査

 

新造船や既存船へ新たに機器を搭載する新設工事、既存船で調子の悪い機器を点検して直す修理工事、定期的に行わなければならない無線局の無線検査、これらをその日その日に訪船した船で行なっています。 

 

 

実際のどんなことをしているの?

 

 

先ほどあげた主な仕事3つをもう少し詳しく説明してみましょう。

 

 

【新設工事】

新設工事は担当している造船所があればコンスタントにある仕事です。新造船が建設されれば無線機は必ず搭載される(トン数や航行区域などにより要求される機器は異なりますが)ので搭載される機器を取り付けることになります。 要は新造船に無線機器を取り付ける工事です。

ただ、その船にどのメーカーの無線機器が装備されるかはそのメーカーの営業さんの力次第です。

なので他メーカーが装備されると決まるとその新造船では仕事が無いので次の新造船まで仕事がなかったります。(一部の機器だけ他メーカーということもあるので一概には言えませんが)

 

新造船の他にも既存船でも新設工事はあります。

それはほとんどの場合、古くなった機器を新しい機器に載せ替える換装工事です。

この換装工事はまず古い機器を取り外すことから始まるので通常の新設工事よりも工数がかかることが多いです。また、その古い機器に接続されていた信号線を流用するので丁寧に取り外して再び新しい機器に接続する必要があり、少し繊細な作業が求められます。

 

この他にも、「新たな規則」ができて新たな機器を搭載しなけらばならなくなり既存船にその機器を取り付ける新設工事もあります。この手の工事はそう頻繁にはありませんが、その時期が来ると怒涛のごとく仕事が入ることがあります。

 

 

【修理工事】

日常的にはこの修理工事がおもな仕事になると思います。

そんなに壊れるんかい!と思われるかもしれませんが、船はごまんと海に浮かんでいます。その日その日で修理を必要としている船も違うし症状も違います。

修理工事なので壊れているものを直すのは当たり前ですが、その他にもどこかが壊れている訳ではなくても定期点検という名目で機器を点検し、異常が発生していたら修理し、消耗部品が交換時期に達していたらその消耗部品を交換するという作業も多くあります。

最近ではソフトウェアのバージョンアップによって機能を追加したり新たな規則に対応することも多くなっているのでバージョンアップ作業も多いです。 

 

 

【無線検査】

船舶に備え付けられている無線機はそのほとんどが定期的に無線検査を受検する必要があります。なのでこの無線検査もコンスタントにある仕事です。

ここでいう無線機というのはGMDSSに対応した無線機のことを言います。

GMDSS(Global Maritime Distress and Safety System) とは海上における遭難及び安全に関する世界的な制度のことで、船舶がどこの海域で遭難したとしても、遭難警報を発し、どんな時でも陸上の救助機関や付近を航行する船舶に確実に受信され、陸上の救助機関と船舶とが一体となった通信網の中で効果的な救助活動を行うことを可能にする無線通信システムのことです。

この取り組みによって、国際航海を行う船舶はGMDSSに対応した無線設備の装備が義務付けられており、毎年無線設備の検査を受けなければなりません。

 

国際航海を行う船舶(外航船)以外にも船は存在します。

それは本邦を航行する船舶(内航船)です。

内航船にも無線設備は備え付けられており、それは電波法や船舶安全法、船舶設備規定などによって定められています。

外航船と違い内航船は日本の法や規定によって定めたれているのでとてもややこしく、実務レベルで慣れないとどこがどれによって定められているのかなどとても複雑です。

 

また、ややこしいことに国際航海を行う日本国籍船というものも存在します。

日本国籍船である以上、この場合も内航船同様、電波法などによって定められていることにしたがって無線設備を設置しなければなりません。

日本の法律でもGMDSSは満たしているので外航船と同じですが、日本国籍船の場合GMDSS以上に細かな規定があるので検査業務はより神経質なものになります。

 

 

 

 

つらつらと難しそうなことを書きましたが、要は「無線検査の決められた書式にしたがって調書を作成し、提出する」ことが検査業務になります。

 

 

最後に

 

無線というだけで少し小難しいイメージがあると思いますが、やっていればそれなりにこなせる仕事ではあります。

 

外航船での仕事では、英語で外国人とやりとりをすることもありますが、相手も人間なのでカタコト英語でも結構意味を汲んでくれて対応してくれたりして英語がペラペラではなくてもやっていけます。

というよりこの業界で英語ペラペラの人は見たことがありませんw

 

まだまだ書き足りないですが、だいたいこのような感じの仕事です。

 

私はとてもやりがいがあり、ワーク・ライフバランスも良い仕事だと思っています。

 

フィールドエンジニアの仕事についてはまた別記事で他にも紹介していこうと思いますのでお楽しみに!

 

 

 

 

おわり。